ベースパック柱脚工法は、高い固定度を有する露出形式の柱脚工法です。
主要部材であるアンカーボルトをテンプレート、アンカーフレーム等で所定の位置に設置し、配筋・型枠・コンクリート打設を経て、鉄骨建方の後、ベースプレート下面にベースパックグラウト(高強度無収縮モルタル)を注入座金を介して注入することにより、ベースプレートと基礎コンクリートとを密着・固定させる工法です。
ベースパックの製品ラインナップは、柱脚の曲げに対する耐力が柱材の全塑性モーメント(Mpc)のα倍※1以上となる保有耐力接合※2を満足するタイプを中心とし、高い耐震性能を有しております。さらに、設計方針にあわせて、柱脚ヒンジタイプもお選びいただけます。
実大実験やFEM解析などにより、優れた曲げ・せん断耐力を有することが証明されています。また、アンカーボルト・ベースプレート・基礎柱型について性能、コスト両面に対して最も効率的な部材形状としています。
ベースプレートのボルト孔クリアランスにグラウト材を充填することにより、柱に加わるせん断力を全てのアンカーボルトに伝達することができます。
アンカーボルト引張せん断実験状況
アンカーボルト引張せん断実験結果
特殊な注入座金を介してグラウト材を空隙部(ベースプレートのボルト孔とボルトのクリアランスおよびベースプレート下面)に充填することにより、基礎上面と十分な密着が図れます。また、注入座金からグラウト材が噴出すことにより、目視にて充填完了が確認できます。
グラウト注入動画
ベースパックグラウト充填イメージ
柱脚に引張軸力が作用する状況においても高いせん断耐力を有するベースパックは、ブレース構造に最適な露出型柱脚です。せん断力-軸力(Q-N)関係耐力曲線により、容易に検討が行えます。
ブレース付き 柱脚実験
Q-N耐力曲線(柱脚降伏耐力)
ベースプレートのボルト孔とアンカーボルトとのクリアランスが15~30mmあるため、鉄骨建方の作業性に優れています。
ベースプレートのボルト孔とアンカーボルトのクリアランス
すべての現場で「アンカーボルト据付け」及び「ベースパックグラウト注入」について、ベースパック・セレクトベース施工技術委員会によって認定された有資格者が施工を実施し、「ベースパックチェックシート」による施工の確認を行っています。施工上の問題が生じやすい異種構造の接点となる柱脚部に、高品質な施工を供給します。
実際の設計・施工にあたっては、
別途詳しいカタログ・資料などを
ご用意しておりますので、
これらを必ずご参照下さい。